鹿児島は、質量ともに日本有数の温泉王国なのだ。2018年3月末時点で、鹿児島県内の源泉数は2,753カ所と全国2位、湧出量も157,989リットル/分と全国3位の豊富な湯量を誇る。鹿児島には桜島を始め11もの活火山がそびえる。火山の近くには名湯あり、県内各地に火山が点在する鹿児島が良質の温泉に恵まれているのは当然といえるだろう。
鹿児島市の高台にある「城山」は、桜島や鹿児島湾を一望できる人気の観光スポットだ。この地に立つSHIROYAMA HOTEL kagoshima(城山ホテル鹿児島)は、鹿児島を代表する名門ホテルである。
このホテルの名物が「展望露天温泉 さつま乃湯」だ。眼下には鹿児島市街地や錦江湾が広がり、桜島を望むことができる。空と海の青、桜島から吹き出す白煙のコントラストが美しい。
夕方、太陽が沈む頃になると雰囲気は一転し、周辺がオレンジ色に輝く中、ポッカリと桜島が浮き上がり幻想的な雰囲気を醸し出す。宝石箱のように輝く鹿児島市内の夜景も見事だ。
早朝には、朝日とともに浮かぶ桜島が神秘的である。
展望露天温泉 さつま乃湯の魅力は、眺望の良さだけでない。地下1,000mから湧き出る良質の炭酸水素塩泉は、美肌の湯でもある。温泉に浸かると肌がぬるぬるし、上がったときにはツルツル。併設のスパやエステで極上のトリートメントケアを行い、美肌に磨きをかける女性客も多い。
昼と夜、そして季節によっても違った魅力を見せる「さつま乃湯」は、一度訪れたら何回もリピートする人が後を絶たないのも納得。鹿児島を代表する絶景を眺めながら、鹿児島の極上温泉の素晴らしさを肌で感じられるスポットだ。
温泉で汗を流した後は、乾いた喉をビールで潤したい。そんな大人の願いにも応えてくれるのがSHIROYAMA HOTEL kagoshimaだ。ホテル施設内にある城山ブルワリーという工房で作られた地ビールが飲めると聞いたら、ビールファンでなくても足を運ばずにはいられないだろう。
SHIROYAMA HOTEL kagoshimaがある鹿児島市・城山は、火山灰に覆われた地層が天然のろ過層となるため、おいしい水にも恵まれている。城山ブルワリーでは、この地元の名水と桜島小みかん、奄美黒糖など鹿児島の特産品を生かし、厳選した素材でエールビールを製造している。
毎日、温度や酵母の状態をチェックし、丁寧につくられた城山エール(ビール)は、有名なビールコンテストで数多くの受賞歴を誇るなど、味も折り紙つきだ。季節限定ビールもあるので、時季ごとに訪れるのも楽しい。
ホテル内の工房から運ばれた新鮮なビールは、ホップの香りや炭酸の刺激をしっかり堪能できる。
熟練のスタッフが注いたグラスには、きめ細やかでクリーミーな泡が立ち、ゴクゴクと喉が鳴るうまさ。もちろん名門ホテル自慢の料理とも相性抜群だ。
鹿児島市の中心に近い閑静な高台に建つSHIROYAMA HOTEL kagoshima(城山ホテル鹿児島)は、市内随一の人気を誇る名門ホテルだ。玄関の前にある噴水広場からは、鹿児島市の街並みと桜島、錦江湾が一望でき、広々としゆったりくつろげる部屋からも桜島を眺められる。
また、和洋中とさまざまなジャンルで鹿児島の旬の食材を使った料理も自慢だ。毎日80種類以上の和洋食メニューが並ぶ朝食バイキングは、2019年朝食のおいしいホテルランキングで全国第7位に選ばれた実力と人気を誇る。
鹿児島市内から車で約1時間、日本の南の玄関口のひとつである指宿市は、世界でも珍しい天然の砂むし温泉で有名な温泉地だ。16世紀の中頃には、砂むし温泉が行われていたとされている。
波打ち際に行くと地下の温泉熱による白い水蒸気がモクモク吹き出しているのが分かる。この砂地に横たわり、体に砂をかけるのが「砂むし温泉」だ。
1947年創業、5万坪もの広大な敷地を誇る温泉旅館「指宿白水館(いぶすきはくすいかん)」は、一度に最大60人が利用できる指宿市最大級の砂むし温泉を構える。施設が屋内にあるため天候や潮の満ち引きなどに関係なく砂むし体験ができると人気が高い。海側は一面ガラス張りなので鹿児島の海を一望できるのも魅力だ。
湯浴み着姿で横たわると、係の方が体に砂をかけてくれる。これぞ自分だけの天然サウナだ。砂の温かみを全身で感じていると、次第に砂のズッシリした重みが心地良くなり、大地に包まれているように落ち着く。盛り土の中で蒸気が滞留し、体が芯から温まるのが分かり、まさに「砂にむされている」温泉だ。
10分ほど経つと、全身から汗が吹き出してくる。やがて、両腕を出してお腹と胸の砂を払い起き上がると、身も心もキレイになったようにスッキリ気持ちがいい。シャワーで体についた汗と砂を洗い流せば、気分も爽快だ。
砂むし温泉は、一般的な温泉と比べて3~4倍もの健康効果があるという結果も報告されている。およそ55度の砂によって血管が広がり、砂の圧力で心臓から送り出される血液量がアップするそうだ。また、砂からの熱でポタポタ汗が滴り落ち新陳代謝が促される。もちろん運動後のクールダウンや疲労回復にもピッタリだ。
砂むし温泉の健康効果について、指宿白水館の下竹原利彦副社長は、自らの経験を踏まえて語ってくれた。
ある年、指宿で毎年1月に開催される「いぶすき菜の花マラソン」に、下竹原副社長と社長が参加することになった。
知人から「マラソンの後は『砂むし温泉』に入るといいよ、とアドバイスを受けたものの、自分はすぐに入らなかったんです」と下竹原副社長は語る。
一方、社長は完走後に砂むし温泉に直行した。
そしてマラソン大会当日の夜、異変が起こる。「マラソンを完走した夜から、自分は全身筋肉痛で歩くのもままならない状態になったんです。でも自分よりはるかに年上の社長は、なんと完走当日の夜から出張に出かけるほど元気で、全く筋肉痛に悩まなかったんです」と下竹原副社長は苦笑しながら当時の様子を教えてくれた。
下竹原副社長は、かつて砂むし温泉が湯治に使われていたことを知っていたが、このとき改めて砂むし温泉の健康効果に気づいたようだ。それ以降、下竹原副社長は「指宿白水館に宿泊するマラソン参加者には、終わったら必ず砂むし温泉へ入るように勧めています」と語る。
さらに、下竹原副社長は「砂むし温泉に入ると、砂に反射した自分の鼓動が聞こえて『生きているな』という感じがするんです」と砂むし温泉の特長を語る。
指宿白水館は、指宿市を代表する温泉旅館だ。5万坪の敷地内には松林、あこうの大木、ビロウ椰子に囲まれて壮大な自然を感じられる。
和のおもてなしにこだわり、地元の食材や郷土料理を中心とした季節感ある和食を中心に提供している。指宿最大級の砂むし温泉や1,000坪の大浴場など温泉も自慢だ。
また、式場やイタリアンレストランなどがある薩摩伝承館は一見の価値がある。館内に多数展示されている豪華絢爛な金襴手薩摩焼は、有名な博物館や美術館でもなかなか見られない貴重なものばかり。鹿児島の自然をはじめ温泉、食事、伝承文化などを1カ所で全て体感できる指宿の名所だ。
海と山どちらの大自然も楽しめる指宿は、魅力的な名所がたくさんある。せっかく指宿に足を運んだら、ここを見逃したら損、という人気スポットをご紹介したい。
指宿市には、自然の恵みを生かした魅力的な観光スポットがたくさんある。指宿のシンボルである標高924mの開聞岳(かいもんだけ)。左右ほぼ対称に見える美しい山は、別名薩摩富士とも呼ばれ、日本百名山にも選ばれている。
また老若男女を問わず登山スポットとしても人気が高い。頂上に立つと霧島から屋久島まで鹿児島の名所を見渡せる絶景も必見だ。
露天風呂「たまて箱温泉」は、世界最大級の旅行クチコミサイトや国内有名クチコミサイトで4年連続全国1位に輝いたという絶景が自慢の露天風呂。国内観光客はもちろん、訪日外国人にも人気の温泉だ。
露天風呂は、開聞岳を望む「和風露天風呂」に、竹山と東シナ海の絶景が広がる「洋風露天風呂」の2種類があり、日替わりで男女が入れ替わる。運が良ければ、遠くに屋久島や硫黄島が見えるかも。
鹿児島湾(錦江湾)に浮かぶ周囲約3kmの無人島・知林ヶ島(ちりんがじま)は、別名縁結びの島とも呼ばれ、パワースポットとしても有名だ。
3月から10月の大潮または中潮の干潮前後のわずか30分から2時間だけ、潮が引くと長さ約800mの砂の道が出現し、歩いて知林ヶ島に渡れることができる。環境省の「かおり風景100選」にも認定された島は、手付かずの自然が魅力的。散策すれば、南国独特の壮大な自然を全身で感じ取れるに違いない。